物語を作ってみた。

〜架け橋〜

この話はすべてフィクションです。間違いなくフィクションです。
登場する人物、社名、国などは実際の物とは全く関係がありません。
絶対にありません。ないない。ねーよwwwwwwwwwwwww
架け橋
「石丸は、死んだ。」そう呟いた哲の目は寂しげで、涙でにじんでいた。
そう、みんなの愛した石丸は死んだのだ。もう帰ってくることはない。
平成58年6月の姫路でのことだ。
「石丸、いず、デッド。」
ジャコビが、汗水流しながらそう僕たちに伝えた。
彼はそう言うと、その場に倒れ込んだ。
「このことを伝えるために、アメリカから走ってきたんだもんね。お疲れ様。」
と、普段は厳しいモクレンが彼に毛布を掛けた。そうする彼の目からは、一粒の涙が流れていた。それを見たとき、僕からは涙があふれた。悲しくなんかないのに。止めようとしても、止まらなかった。
「どんなに悲しんでも、どんなに喜んでも石丸が帰ってくることはない。それが現実なんだ。」と、ポンが言った。そうだ。石丸は帰ってこない。帰ってくることはない。「余りにも呆気なさ過ぎる。。。」
今から話すのは、後にジャコビに聞いた話だ。彼は石丸の死の瞬間に立ち会っていた。その分哀しみは大きいのだろう。

 当時、我が祖国日本は悪の根源「ジャスラック興国」と戦争を起こしていたのだ。アメリカ合衆国中華人民共和国、インド、ヨーロッパ諸国は全てジャスラック興国に吸収されていた。いや、滅ぼされていたと言った方が正しいだろう。その牙がとうとう日本に襲いかかろうとしたときに、僕たちが立ち上がったのだ。いや、日本人が立ち上がったのだ。当時の日本の90.4%がビッパーで、87.5%がニコ厨。敗戦は濃厚だった。だが、僕たちはある一つの計画を実行していた。「エアー読め」計画。この計画は、全国民で空気を読んで一揆団結し、世界自由の人をビッパーにしようという計画だ。テロ目的に立てた計画が日本を助けるなんて、皮肉な話だ。笑い話にしちゃあ笑えない。
 この計画のコアとなるべきターゲットが石丸だった。なぜかというと、空気を読めない人には特別な遺伝子がある、という論文をドクターもろずみが発表したことに由来する。僕たちは石丸を緊急に捕獲し、実験を繰り返してその遺伝子を突き止めた。そして、レトロウィルスにその遺伝子を直すための制限酵素を組み込み、石丸を遺伝しそのものから作り替えた。何億もの金を費やしたが、モクレンは快くお金を提供してくれた。そうして、石丸は空気を読める人間となった。僕たちはそのウィルスに彼の名前をとって「ロックマルウィルス」と名付けた。そのウィルスを日本中にばらまいていた矢先に、ジャスラック興国がやってきたのだ。

 「日本へ著作権違反のおそれがある物を全て排除しに来た。まずは、そこの男。将来著作権違反をする可能性がある。お前を排除する。。。次だ。そこのオカマ。将来お前は著作権を違反する可能性がある。排除する。。。」
一人、また一人と同士が消えていった。ビッパーが死ぬたびに、僕たちはこころを痛めた。本来仲が悪いはずのニコ宙も悲しんだ。そして、ジャスラック興国の陰謀に立ち向かうことを、ネット上で誓った。
だが、戦いは厳しいものであった。戦い始めたのは、アクティブなビッパー、通称スネークと呼ばれる精鋭だけであったからだ。大黒柱だけでは、家は建たない。家を建てるには、土台が必要だ。その土台となるべきニートや引きこもりが動こうとしなかったのだ。その結果、多くの若きスネークが散っていった。とあるスネークが死に際に僕に言った言葉だ。「俺はビップクオリティを守って死ねるんだぜ?これほど、気分がいいことはねーや。俺は神になるんだ、おまえらざまぁ。来世もおまいらに会えたらいいと、心から思うぜ!じゃあの。」そのまま彼は、一人でジャスラック艦隊に突撃し、砕け散った。我々ビップ連合軍に一時撤退の時間を与えるために。その名もなきスネークが日本を救ってくれたと言っても過言ではない。彼こそが「愛のビップ戦士」なのだ。だが、依然敗戦続きであった。

 その状況を打破したのは、石丸だ。石丸は、ネットラジオでみなに訴えた。
著作権?自由に生きること以上に大切な物なのか?ばかばかしい。権利とは、人のためにある物だ。法律のためにある物ではない。人のための物じゃなくなった瞬間にッ!いいかい?権利は、人がためにある物じゃ無くなったなら、それは独裁者の意見なすぎないッ!我々日本人全員で立ち向えば、たった一人の独裁者の意見なんか簡単につぶせるんだ。さあ、立ち上がれビッパー。ニコ厨。ともに戦おうではないか!」
その言葉に全国のビッパーとニコ厨が武器を持って立ち上がったのだ。そう、ネットゲームの世界ではなく、現実の世界で。ニートや引きこもり達も、ネットゲームで培った戦い方をうまく応用し、戦った。そして、様々な占拠地を奪回し、平成54年、ついに我々は無敵と歌われたジャスラック艦隊を打破した。そして、ジャスラック興国は日本への進出を断念した。と、誰もがそう思っていた。事の異変に僕たちは気づかなかった。

 ただ一人だけが気づいていた。石丸だ。石丸は、ジャコビに手紙を託した。
「君たちがこれを読んでいるときには僕は死んでいるだろう。だけど、悲しんじゃいけない。僕は悲しくないよ。だって、君たちの心の奥で永遠に生き残ることが出来るかもしれないから。ただの可能性かもしれない。でも、可能性があると言うことは絶対に失敗することはないと言うことだ。可能性がある限り僕は諦めないし、最後まで戦う。僕は今から、戦闘機ビップ号に乗ってジャスラックの中枢に突撃しようと思う。これで僕たちの世界は安泰だ。君たちには感謝している。だって、こんな格好いい死に場所を与えてくれたんだもの。じゃあ、いってくる。後悔はない、これからおこる全ての事に僕は後悔なんてない!僕が未来への架け橋となる!!。。パーフェクトハーモニー、石丸より。」
それを読んだときに、みんな同じ事を呟いた。

「やっぱり僕たちの計画は失敗だ。だって、最後の最後に空気が読めなかったんだから。僕たちの中で、お前だけ死ぬなんて、な。」